デスクワーク
検疫官(看護師)
適性レーダーチャート
PC作業・身体負荷・顧客接触・正社員比率・報酬・専門性のバランス
・各軸は公的データに基づく相対スケール(外側ほど高い傾向)で描画しています。
・別の職種を選択すると、オレンジ色のポリゴンが重ねて表示され適性の差が一目でわかります。
レーダーチャート項目の詳細数値・全職種中順位
| 項目名 | この職種の値 | 518職種中の順位 |
|---|---|---|
| パソコン作業 | 3.14 / 5.0 | 518職種中 143位 |
| 体を動かす | 2.29 / 5.0 | 518職種中 319位 |
| 外部顧客との接触 | 4.18 / 5.0 | 518職種中 14位 |
| 正社員比率 | 100.0% | 518職種中 1位 |
| 報酬・収入スコア | 2.93 / 5.0 | 518職種中 171位 |
| 専門性 | 3.00 / 5.0 | 518職種中 381位 |
主な関連免許・資格
看護師普通自動車免許
仕事の概要
国際線の発着がある空港や港湾で、海外からの入国者・帰国者に対する検疫、感染症を媒介する動物の捕獲調査、国際航行する船舶内の衛生状態の確認等を行い、海外からの感染症の流入やまん延を防ぐ。
厚生労働省所管の検疫所には、検疫官(看護師)のほか、検疫医療専門職(医師)や一般職(事務官)、食品衛生監視員といったさまざまな職種がおり、互いに連携しながら業務にあたっている。その中で、検疫官(看護師)は、主に検疫業務と港湾衛生業務を担当している。
検疫業務には、すべての入国者・帰国者の健康状態の確認や体調に異状がある人への対応業務がある。入国者・帰国者が感染症にり患しているかどうかは、サーモグラフィにおける発熱の確認、目視での観察や問診、触診等から総合的に判断する。また、入国・帰国時には、体調に異状のある人だけではなく、体調に心配がある人からの健康相談も対応している。また、ポスターやリーフレット、ホームページなどで感染症に関する情報発信も行っている。電話による相談対応では、帰国して時間が経ってからの体調不良に関することや、これから渡航する国の衛生状態や感染症の流行状況、渡航前に必要な予防接種の種類等の相談を受けることが多い。感染症に関する情報発信は検疫所内等で常時行っているだけでなく、空港・港湾で開催されるイベント等への出展によっても実施している。なお、一部の検疫所では検疫官(看護師)が海外渡航者に対する黄熱等の予防接種の補助を行っている。
港湾衛生業務には、空港や港湾内において、蚊やねずみを捕獲する業務がある。これには外来種や新たな病原体の侵入を防ぐという目的がある。捕獲だけでなく、捕獲した蚊やねずみの種類や保有している病原体の同定に関わることもある。国際航行する船舶内の衛生状態の確認も重要な業務である。入国時に提出された書類審査が中心ではあるが、法令に基づく定期検査等の場合には乗船し、船舶内の衛生状態を確認する。担当業務にもよるが、空港・港湾勤務ともに入国前の書類審査をはじめとした事務処理業務は多い。
新型コロナウイルスによるパンデミックの際には、検疫を強化し対応していた。政府からの指示や情報が短期間で更新され、その内容を即時に理解し対応する必要があり苦労を要した。平常時も、感染症のまん延状況等は日々変化しているため、海外の状況等最新情報を確認することや、感染症の知識を深めるため自ら学習する必要がある。一方、日々研鑽してきた訓練や学習を活かし、体調に異状のある人への対応を適切に行えた時は成果を感じる。また、他職種の職員たちと円滑なコミュニケーションが図れ、チームワークを発揮できた時には、達成感を感じる。
◇よく使う道具、機材、情報技術
サーモグラフィ、体温計(腋下式、非接触式)、事務処理ソフト(文書作成、表計算、プレゼンテーション)、官用車(患者を搬送したり、空港および港湾内を移動したりするための自動車)、注射器、黄熱ワクチン、翻訳ツール
この職業に就くまで(働いている人の回答)
厚生労働省 job tag の調査データに基づき、実際に働いている就業者の回答割合を表示しています。
学歴
高卒未満
0.0%
高卒
6.1%
専門学校卒
36.4%
短大卒
9.1%
高専卒
0.0%
大卒
72.7%
修士課程卒(修士と同等の専門職学位を含む)
6.1%
博士課程卒
3.0%
わからない
27.3%
入職前の訓練期間(学歴を除く)
この職業で働いている人が必要と考える、入職前の訓練等の期間(学歴を除く)
特に必要ない:12.1%
特に必要ない
12.1%
1ヶ月以下
3.0%
1ヶ月超~6ヶ月以下
6.1%
6ヶ月超~1年以下
0.0%
1年超~2年以下
3.0%
2年超~3年以下
0.0%
3年超~5年以下
30.3%
5年超~10年以下
12.1%
10年超
0.0%
わからない
33.3%
入職前の実務経験
この職業で働いている人が必要と考える、入職前の実務経験の期間
特に必要ない:3.0%
特に必要ない
3.0%
1ヶ月以下
0.0%
1ヶ月超~6ヶ月以下
3.0%
6ヶ月超~1年以下
0.0%
1年超~2年以下
0.0%
2年超~3年以下
3.0%
3年超~5年以下
66.7%
5年超~10年以下
9.1%
10年超
0.0%
わからない
15.2%
入職後に一人前になるまでの期間
この職業に就いた後、周囲から特別なサポートが無くても一般的な就業者と同じように働けるようになるまでの期間
必要でない(未経験でもすぐに即戦力):0.0%/1年超:42.4%
必要でない(未経験でも即戦力となる)
0.0%
1ヶ月以下
0.0%
1ヶ月超~6ヶ月以下
6.1%
6ヶ月超~1年以下
27.3%
1年超~2年以下
21.2%
2年超~3年以下
12.1%
3年超~5年以下
3.0%
5年超~10年以下
6.1%
10年超
0.0%
わからない
24.2%
この職業に就くには(就業ルート)
検疫官(看護師)の入職にあたっては、看護師を養成する教育機関を卒業・修了し看護師の国家資格を取得した上で、医療機関での3年以上の臨床経験を要する。また、空港や港湾内の移動および患者の搬送等に官用車を運転する必要があるため普通自動車免許の保有が求められる。
採用情報は、厚生労働省ホームページに掲載されているが、ハローワーク、民間が運営する看護師向け求人サイト等への情報掲載も行われている。全国転勤を伴う無期雇用の常勤職員だけでなく、配属先が限定された任期付職員の募集を行う場合もある。常勤職員、任期付職員ともに国家公務員として採用される。
入職後の研修は、配属された検疫所内での現任教育のほか、毎年4月には厚生労働省本省による1週間程度の初任者研修を実施している。研修を経て入職3か月後に「検疫官」として配属されるが、一通りの業務ができるようになったとしても、質の高い業務の遂行には知識や技術のさらなる研鑽が必要となる。厚生労働省本省企画の研修には若手職員向け研修や管理職向け研修等、キャリアに応じた研修が用意されている。空港・港湾両方の業務に精通するよう育成を行っているため、配属はどちらかに偏らないよう調整されている。また、外部の研修会や学会への参加を通して感染症の知識を深めることもできる。
業績による人事評価に基づき、主任看護師、看護師長、空港検疫看護管理官といった職位への昇進機会がある。
検疫官(看護師)には看護に関する基礎的知識や技術に加え、海外の生活習慣や文化への深い理解、公衆衛生に関する知見、他職種の職員と協力して対応するための協調性、そして、国民の健康を守るために働くという国家公務員としての自覚と責任感が求められる。また、検疫所では事務作業も多いため、パソコンでの文書作成やプレゼン資料の作成等の事務処理能力も有していることが望ましい。
労働条件・職場環境の特徴
勤務地は、検疫法で定められた主要な港湾および空港に設置された検疫所(本所・支所・出張所111カ所(2025年4月現在))であり、全国転勤を伴う。すべての検疫所に検疫官(看護師)が常駐しているわけではないため、一部は近隣の主要な検疫所から出張して業務にあたることもある。また、厚生労働省本省での勤務や外務省へ出向し在外大使館で勤務することもある。
2025年現在、検疫官(看護師)は全国に約250名(検疫所全体の職員数は約1400名)が勤務している。成田空港や羽田空港等の大規模国際空港の検疫所には、30名程度と比較的多い人数が配置されている。一方、地方の出張所の中には検疫官(看護師)が1名(職員全体でも5名程度)という所もある。入職直後はまず検疫官(看護師)の配置人員が多い検疫所に配置される。その後は、2、3年ごとにある異動のタイミングで他の検疫所に異動する。
検疫官(看護師)の男女割合は1:3と女性が多く、一般職(事務官)等を含む検疫所職員全体では4:3程度の割合で男性がやや多い。検疫官(看護師)の入職者の年齢層は幅広く、主に30歳代~40歳代が多く在籍している。
勤務時間や給与、福利厚生は国家公務員の規定による。港湾の多くは平日の日勤が中心であるが、国際便の発着が多い空港や港湾では、24時間2交代または3交代のシフト制である。その場合、週休日は4週8休になるよう調整されている。
現在では訪日外国人の人数がパンデミック以前の水準を上回り、対応する件数や業務量も増加傾向にある。そのような中でも検疫官(看護師)は日々研鑽を積み、感染症の流入やまん延を防ぐという重要な使命を果たしている。今後も出入国者のさらなる増加が見込まれており、検疫官(看護師)の役割はますます重要なものになると考えられる。